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『亀崎の海』
千鳥友よぶ知多の海 隔てゝ向ふ薄墨の
三河の山に月出でゝ 寄来る波の白銀の
ふちとらせゆく洲崎の磯 面白の夕やな
湾の入口左右より いだく師崎いらこ崎
いすかの嘴のくひちがひ 間に白帆を三つ五つ
見つゝ歌ひし高根山 面白のけしきやな
松の木の間に紅の 鏡をかくる日は出でて
海に賑ふいざり舟 漕ぎゆく声も勇ましく
眺め渡しは県社の杜 面白のあたりやな
海潮院の鐘の音 聞えて明けるあしたより
汽笛の波にひゞきつゝ 入り来る舟の夕まで
櫓の音絶えぬ衣が浦 面白の亀崎や
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この歌は、明治時代『鉄道唱歌』など多くの唱歌の作詞者である大和田建樹(おおわだ たけき)さんが詠んだ亀崎の風景です。
漁師町だった亀崎。
夜明けから夕暮れまでの空と海と山、
船乗りの声、鳥の声と波の音、鐘の音が聞こえてくるようなステキな歌です。