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今年2016年は、さる年。
「見ざる 聞かざる 言わざる」の三猿は日光東照宮で有名ですが、半田市内にも三猿がいるんです。
それは成岩本町にあります。
成岩小学校の下の道を、愛昇殿へ北上する大通り沿いで、大きな石塔を見たことはありませんか?
粕江庚申(かすえこうしん)と書かれた石柱のそばにある、小さなお堂の中にまつられている石仏(庚申さま)の台座部分に「見猿 聞か猿 言わ猿」が簡単な形で彫られています。
まつられている庚申(こうしん)さまの正式名称は、
青面金剛(しょうめんこんごう)。
とても怖い顔をしていて、疫病や“悪い虫”を追い払ってくれる仏様です。
庚申信仰は、
中国の道教をもとに、仏教、神道が混ざった日本独自の民間信仰。奈良時代から発展して、現在に至ります。
どんな信仰でしょうか?
私たちの体内には3匹の虫がいて、いつも私たちの言動を見張っているんだそうです。
2ヶ月に1回、暦で庚申(かのえさる)の夜、
私たちが寝ている間に、天帝(えんま大王)に3匹の虫が「コイツこんな悪い事してましたぜ」と告げ口しに天に上って行くんだそうです。
その悪事は“えんま帳”に記録されて、悪さレベルが上がるほどその人の寿命が縮まるというのです。
そこで3匹の虫が告げ口をしに行かないように、庚申の夜は酒盛りをしながら寝ずに朝を待ちます。
最近あまり聞かなくなりましたが、いわゆる「お日待ち」です。
一方の 三猿は、
孔子の「論語」が元だと言われたり、
エジプト、アジア、欧米諸国でもことわざや建物で見られる世界共通モチーフです。
“3匹の虫よ、えんま様に告げ口しないでくれ”という庚申信仰と、
“見猿 聞か猿 言わ猿”は、
出どころは違えど「さる」というキーワードでつながって馴染みやすくなり、日本各地で“庚申さま+三猿”としてまつられてきたようです。
庚申信仰で有名なのは奈良のならまち庚申堂ですが、
粕江庚申堂の中には、この地域の庚申信仰グループ(庚申講)で奈良の庚申堂を参った記念写真も飾られていました。
半田市内では庚申さまは9箇所ほどでまつられていて、いくつか同じように三猿を見ることができます。
ちなみに2016年の庚申は、2/8、4/8、6/7、8/6、10/5、12/4。
最近悪いことした気がする方は、庚申さまをお参りして、
「どうか見猿聞か猿言わ猿で…」
とお願いしてみてはいかがでしょうか?
コメント
昨日、10時から、粕江庚申さんにお参りして、御酒を頂いて来ました。毎年11月3日に拝んでます。もう少し、広まったらなあ、思います。
コメントありがとうございます。
地域に愛されている庚申さんですね。
大通りで存在感があって、多くの方が見てると思うので、
もっと知ってもらえるといいですよね。